『ニーベルンゲンの歌』 Das Neibelungenlid (ドイツ語)
cf. ドイツ語でリッド lid やリエット liet は、「歌」の意味。
前半の主人公である英雄ジークフリート Siegfried は、ドイツ語の男性名で sig 「勝
利」と fried 「平和」からなり、「勝利と平和」の意味。フリート fried は、ゲルマン神話・
北欧神話の主神オーディンの妻フリッグ Frigg や平和と豊饒の神フレイ Frey (双子の
姉妹が女神フレイア Freya )に由来し、後者はインド=ヨーロッパ祖語の pri 「愛する」
にもとづく。
中高ドイツ語による写本の原題は、『ニーベルングの歌』( Der Nibelunge liet )と
『ニーベルングの災い』( Der Nibelunge Not )の二通りある。
物語の前半では、ジークフリートに滅ぼされる小人族のことを、後半では東ゲルマン
族の一派ブルグント族のことをニーベルングと呼んでいる。フン族とアッティラ大王も登場。
ニーベルンゲン Niebelungen (ドイツ語)
…「霧の村」。
cf. ドイツ語の Nebel 「霧」と地名語尾の gen 「村」から。